高血圧症の漢方治療-降圧剤を減らしたい
私の服用中の降圧剤は、ユニシア配合錠LDです。もう2年くらい飲んでいるでしょうか?
漢方薬の勉強を始める前は、何の知識も疑問もなく服用していましたが、漢方での治療について興味が湧いてきました。
これまで様々な漢方薬を紹介してきましたが、高血圧は気逆の症候のようで、気逆に適用される漢方薬に改善効果が期待できるようです。
実証の人では、三温瀉心湯、黄連解毒湯、大柴胡湯、柴胡加竜骨牡蛎湯の4方剤が適用され、虚証の人には、釣藤散、七物降下湯、加味逍遙散、抑肝散加陳皮半夏の4方剤が適用されます。
高血圧症と漢方薬の選択方法
最近の記事では、精神障害(気逆、気鬱)に適用される漢方薬を集中的に紹介してきましたが、ほとんどが高血圧症に適用される漢方薬と共通していることがわかります。
三黄瀉心湯は、気逆(熱誠のぼせ、興奮、赤ら顔、頭痛、心下痞硬)で便秘のある人に、便秘がない場合は黄連解毒湯が適用されます。
大柴胡湯は、神経質、胸脇苦満の人に、更に臍上悸を認める人には柴胡加竜骨牡蛎湯が適用になります。
なお、虚証の高血圧症の人には、釣藤散、七物降下湯、加味逍遙散、抑肝散加陳皮半夏がよく適用されます。
釣藤散は、三黄瀉心湯や黄連解毒湯に似た症候(気逆)に使用されますが、虚証でのぼせが軽度の人に使用されます。
更に血虚の症状が強い場合は、釣藤散より七物降下湯が適用になります。
実証で、神経質、胸脇苦満のある人には、柴胡剤が適用されます。下記の表では、加味逍遙散、大柴胡湯、抑肝散加陳皮半夏、柴胡加竜骨牡蛎湯が選択されますが、加味逍遙散や抑肝散加陳皮半夏は、虚証の人向けですので胸脇苦満の程度が弱くなります。
また、加味逍遙散と抑肝散加陳皮半夏は、その人の性格が選択の要因になるようです。
心を開く人には加味逍遙散、根暗な人には抑肝散加陳皮半夏が選択されます。おもしろいですね。
釣藤鈎を構成する生薬