漢方薬がすぐわかる、すぐ使えるー便秘、腹部膨満感
今回は、新見先生の漢方JPにから、便秘の漢方薬を紹介します。
便秘を解消する漢方生薬は、大黄です。
大黄は、瀉下薬といわれ、便を排出することで、体内の邪気などを追い出すことを目的とする生薬です。
体の大掃除ですね。
目次
便秘を解消する漢方薬
大黄甘草湯
急性の便秘で、頓服的に使用します。
生薬は、大黄と甘草の2種類だけですから、即効性がりますが、長期に使用すると効きづらくなります。
頓服的に服用することが必要です。
潤腸湯、麻子仁丸
常習の便秘の人には、潤腸湯(大黄+他9個の生薬)、麻子仁丸(大黄と麻子仁丸+4個の生薬)などのように大黄以外に多くの生薬を含むものが良いです。
長期に服用しても効果は減少しません。
高齢者や体が弱い人の便秘の解消に利用されます。
桃核承気湯、大承気湯、調胃承気湯
これらは、承気湯類と呼ばれ、大黄と芒硝の2種類の生薬が使用されていますので、麻子仁丸や潤腸湯より効果は強くなります。
大黄剤よりすっきり出ます。
小柴胡湯、加味逍遙散
大黄で腹痛が出る場合、小柴胡湯や加味逍遙散などの柴胡剤が有効です。
大建中湯
便をやわらくしたい時に使用されます。
特に冷えによる便秘にはよいです。
消化器系の手術後や手術前に使用されるようです。(腸閉塞、イレウス)
新見先生は、慶応義塾大学の医学部を卒業後、英国オックスフォード大学医学部博士課程。ハーバード大学にてイグノーベル賞受賞されています。
現在は、帝京大学医学部大学院 東洋医学講座 指導教授をされており、これまでの先生の漢方治療の経験をもとに、医療現場への漢方治療の導入を啓蒙をされています。
便秘を解消する生薬
便秘の効能表示のある漢方薬には、概ね下記の生薬が配合されています。
特に、大黄、麻子仁丸、芒硝が主体となります。
大黄
大黄は、瀉下薬といわれ、便を排出することで、体内の邪気などを追い出すことを目的とします。
五臓六腑:脾、肝
瀉下攻績、清熱瀉火、解毒、活血きょお
便により不要物を追い出し、熱を冷まし解毒し、血行を改善し滞りを解消します。
麻子仁丸
麻子仁は、瀉下薬で、主に高齢者や体の弱い方に使用されます。
五臓六腑:脾に作用します。
潤腸通便
柴胡
柴胡は解表薬で、体の内部に入った「熱」の邪気を追い出す作用があります。
五臓六腑:肝と三焦に作用します。
和解耐熱:往来寒熱を抑えます。
疎肝解鬱:流れの悪さからくるイライラや不安感を取り除きます。
昇挙陽気:気持ちをあげます。
山椒
山椒は、温裏薬で、体の奥の冷えを除く生薬です。
五臓六腑:脾、腎に作用します。
温中、止痛、殺虫:お腹を温めて、痛みを止め、寄生虫をやっつけます。