漢方薬がすぐわかる、すぐ使えるー冬場の乾燥肌
今回は、新見先生の漢方JPにから、冬場の乾燥肌に有効な漢方薬を紹介します。
乾燥肌を解消する漢方薬は、四物湯(血虚の解消)がベースの当帰飲子、温清飲がお勧めです。
冬は、寒くて冷えて、乾燥する季節です。
そのため、血液の循環が悪くなって肌の潤いがなくなり、乾燥した大気のために肌表面が乾燥します。
いわゆる乾燥肌のことですが、かゆみが出たり、お化粧のノリが悪くなったりします。
漢方では、このような症候を血虚といいます。
乾燥肌に代表されるカサカサ肌には、補血、活血効果のある生薬が配合されている四物湯ベースの漢方薬がお勧めです。
目次
冬の乾燥肌を解消する漢方薬
当帰飲子
虚弱な人(虚証)のカサカサ皮膚、高齢者のカサカサ、透析中の患者さんのカサカサには、当帰飲子が適用されます。
当帰飲子は、四物湯の他、蒺莉子、防風、荊芥、黄耆、何首鳥、甘草から構成されている漢方薬です。
温清飲
四物湯(当帰、芍薬、川芎、地黄)と黄連解毒湯の合剤です。黄連解毒湯は清熱薬ですので、アトピーの”かゆみ”のある”アツアツ感”を緩和します。
新見先生は、慶応義塾大学の医学部を卒業後、英国オックスフォード大学医学部博士課程。ハーバード大学にてイグノーベル賞受賞されています。
現在は、帝京大学医学部大学院 東洋医学講座 指導教授をされており、これまでの先生の漢方治療の経験をもとに、医療現場への漢方治療の導入を啓蒙をされています。
乾燥肌を改善する生薬
アトピーや乾燥肌からからくカサカサ皮膚の改善には、概ね下記の生薬が配合されています。
特に、四物湯(当帰、芍薬、川芎、地黄)が主体となります。
当帰
当帰は、補益薬といわれ、気、血、陰、陽を補う効果があります。
五臓六腑:肝、心、脾
補血、活血、止痛、潤腸
血を補い、流れを良くし、痛みを止めて、腸を潤します。不妊や生理トラブルなどの婦人科系疾患に使用さることが多く、便秘などにも使用されます。
芍薬
芍薬は、補益薬といわれ、気、血、陰、陽を補う効果があります。
五臓六腑:肝、脾に作用します。
養血斂陰、柔肝止痛、平抑肝陽
血を補い、肝を柔らかくして痛みを止め、肝の陽の過剰を上昇を抑えます。
婦人科疾患やめまいに効果があります。
川芎
川芎は活血きょお薬で、血液の流れをスムーズにし、滞りを解消する作用があります。
五臓六腑:肝に作用します。
活血行気、きょ風止痛
気と血の流れをスムーズにし、風邪を除く、痛みを止めます。生理痛、しびれ、痛みや風の頭痛に使用されます。