漢方薬がすぐわかる、すぐ使えるー女性の不定愁訴
今回は、新見先生の漢方JPにから、女性の不定愁訴に有効な漢方薬を紹介します。
女性の不定愁訴を解消する漢方薬は、当帰芍薬散、桂枝茯苓丸、加味逍遙散です。三大婦人薬といわれています。
女性の不定愁訴は、主に、月経不順など女性ホルモンのバランスが崩れることにより引き起こされますが、漢方では 瘀血(血液が詰まり、溜まりができること)がその原因と考えています。
三大婦人薬の駆瘀血作用により、冷え性、貧血、生理不順・生理痛、むくみ、頭痛、めまい、のぼせ、肩こり、不妊症、更年期障害を解消します。
目次
女性の不定愁訴を解消する漢方薬
当帰芍薬散
やや虚証の女性の不定愁訴(冷え、貧血、月経不順・月経痛)に効果的です。
不妊症の第一選択薬でもあります。
桂枝茯苓丸
実証(がっちりタイプの女性)の不定愁訴に適用されます。
桃核承気湯と当帰建中湯
桃核承気湯は、承気湯類と呼ばれ、大黄と芒硝の2種類の生薬が使用されていますので、桂枝茯苓丸よりさらに実証の女性で、便秘の症状がある場合に効果があります。
当帰建中湯は、当帰芍薬散よりの虚証(華奢な人)な人に有効です。
加味逍遙散
加味逍遙散は、更年期障害、自律神経失調症と一般に言われる症状のある人に適用されます。
即効性はないようですが、1年、2年と継続的に服用すると楽になっていくようです。
新見先生は、慶応義塾大学の医学部を卒業後、英国オックスフォード大学医学部博士課程。ハーバード大学にてイグノーベル賞受賞されています。
現在は、帝京大学医学部大学院 東洋医学講座 指導教授をされており、これまでの先生の漢方治療の経験をもとに、医療現場への漢方治療の導入を啓蒙をされています。
女性の不定愁訴を改善する生薬
便秘の効能表示のある漢方薬には、概ね下記の生薬が配合されています。
特に、大黄、麻子仁丸、芒硝が主体となります。
当帰
当帰は、補益薬といわれ、気、血、陰、陽を補う効果があります。
五臓六腑:肝、心、脾
補血、活血、止痛、潤腸
血を補い、血の流れを良くし、痛みを止めて、腸を潤します。不妊や生理トラブルなどの婦人科系疾患に使用さることが多く、便秘などにも使用されます。
芍薬
芍薬は、補益薬といわれ、気、血、陰、陽を補う効果があります。
五臓六腑:肝、脾に作用します。
養血斂陰、柔肝止痛、平抑肝陽
血を補い、肝を柔らかくして痛みを止め、肝の陽の過剰を上昇を抑えます。
婦人科疾患やめまいに効果があります。
川芎
川芎は活血きょお薬で、血液の流れをスムーズにし、滞りを解消する作用があります。
五臓六腑:肝に作用します。
活血行気 (ぎょうき)、きょ風止痛
気と血の流れををスムーズにし、風邪を除き、痛みを止めます。生理痛、しびれ、痛みや風の頭痛に使用されます。
牡丹皮
牡丹皮は、清熱薬で、体に入った熱邪を除く生薬です。
五臓六腑:肝に作用します。
清熱涼血、活血散お
血の熱を冷まし、血流をスムーズにします。皮膚病のほか、生理痛や生理不順などに使用される生薬です。
桃仁
五臓六腑:肝、心、肺に作用します。
活血きょお、潤腸通便