抑うつ、イライラ、怒り・のぼせ、パニックを解消する漢方薬
交感神経更新系のストレス障害には、黄連解毒湯、桂枝加竜骨牡蠣湯
前回の記事で、漢方では、気虚(元気がない、食欲がない、免疫力の低下・風邪ひきやすい)に効果的な漢方薬をご紹介しました。気とは生命エネルギーであり、そのエネルギーを利用して、神気(運動・精神機能)、胃気(消化・吸収機能)、衛気(免疫力機能)のパワーを生み出しています
今回は、その中で、神気の精神機能の失調(ストレス障害)の漢方薬治療について紹介します。ストレスには、交感神経更新系と副腎皮質ホルモン分泌系の2種類があることが、キャノン、セリア等により提唱されています。漢方では、前者を気逆、後者を気鬱との症候としてとらえています。
目次
交感神経更新系のストレスには、闘争型と逃走型がある
闘争反応タイプ
怒り、怒り安い(易怒性)、焦燥感、顔面紅潮・のぼせ、血圧上昇、不眠には、
黄連解毒湯、三黄瀉心湯です。
※ここでのぼせは、冷えのぼせではなく、熱盛ののぼせです。
逃走反応タイプ
恐れ、パニック発作、不安、動悸発作、腹部の動悸、手足の発汗には、
桂枝加竜骨牡蛎湯、柴胡加竜骨牡蛎湯です。
副腎皮質ホルモン分泌系のストレス障害には、抑肝散加陳皮半夏、半夏厚朴湯
副腎皮質ホルモン系のストレスは、憂慮過多と緊張過多の2種類がある
憂慮過多のタイプ
悲しみを我慢、憂うつな気分、訴えが執拗、心気症的、胃気失調を認めるには、
半夏厚朴湯または香蘇散を適用する
特に喉の閉塞感や異物感を訴える場合は、半夏厚朴湯が使用され、胃腸虚弱で食欲不振には香蘇散が使用されます。
緊張過多のタイプ
怒りを我慢、イライラした気分、 肩こり・頭痛、過緊張による症状、肝気鬱結を認めるには、
抑肝散加陳皮半夏または四逆散を適用する。
修正:気逆→気鬱の記述ミスです。
紹介した漢方薬と構成生薬
黄連解毒湯の配合生薬は、全て清熱効果のあるものです。類似漢方薬である三黄瀉心湯も全て清熱効果のある生薬ですが、大黄は、瀉下清熱、いわゆる下剤ですので便秘気味の人に使用されます。
黄連解毒湯
黄連、黄柏、黄芩、山梔子
三黄瀉心湯
黄連、黄芩、大黄
半夏厚朴湯
半夏、茯苓、厚朴、蘇葉、生姜
香蘇散
香附子、生姜、陳皮、蘇葉、甘草
抑肝散加陳皮半夏
釣藤鈎、柴胡、川芎、当帰、陳皮、半夏、茯苓、蒼朮、甘草、
四逆散
甘草、乾姜、附子
【第2類医薬品】「クラシエ」漢方黄連解毒湯エキス顆粒 45包
【第2類医薬品】三黄瀉心湯 エキス細粒26 2.0g×30包
【第2類医薬品】「クラシエ」漢方桂枝加竜骨牡蛎湯エキス顆粒 45包
【第2類医薬品】「クラシエ」漢方柴胡加竜骨牡蛎湯エキス顆粒 45包
【第2類医薬品】「クラシエ」漢方半夏厚朴湯エキス顆粒 45包
【第2類医薬品】抑肝散加陳皮半夏エキス顆粒クラシエ 24包 ×2