めまい・頭痛の漢方治療の秘訣(補足)
めまいに対する3大利水剤とは、五苓散、苓桂朮甘湯、神武湯
めまいの解消は、冷えと同様に漢方のもっとも得意とする分野です。しかし、めまいと一言でいっても、様々な症候、病態があり、それぞれの病態に適応した漢方薬を選択にしなればなりません。前回の記事は、水滞(水毒・有毒物質の体内で停滞)が主な原因のめまいに適用される漢方薬を紹介しましたが、今回はもう少し踏み込んで、めまいの種類や他の症候を併発している人に適用される漢方薬をご紹介します。
目次
回転性のめまいには五苓散
回転性めまい・激しいめまい
水滞に口渇・尿不利・自汗の症候があること。
非回転性のめまいには、苓桂朮甘湯
非回転性めまい・立ちくらみ(起立性低血圧)
水滞に気虚と気逆を伴う
浮遊感・動揺感・斜行感のあるめまいには、神武湯
浮遊感・動揺感・斜行感
水滞に気虚と冷えを伴う
その他利水剤
気逆、気鬱を伴うめまい
水滞+気逆:半夏白朮天麻湯
水滞+気鬱:半夏厚朴湯
※気逆や気鬱は、精神障害的な症候ですが、次回の記事でご紹介します。
今回紹介した漢方薬と生薬
五苓散
猪苓:利水滲湿、清熱
沢瀉:利水滲湿、清熱
茯苓:利水滲湿、健脾和中
白朮:燥湿利水、補脾益気
桂皮:通用利水、散寒止痛
真武湯
白朮:燥湿利水、補脾益気
附子:補陽温腎、散寒止痛
生姜:温中止嘔、解表散寒
芍薬:和血通脈、緩急止痛
引用文献:好きになる漢方医学 喜多敏明著 千葉大学環境健康フィールド科学センター