漢方薬による引き始めの風邪退散ー実体験編ー
漢方薬による風邪退散の実体験編
異常な気候変化(気温や湿度)と体調の維持
皆さん、現在2019年の6月ですが、気温30℃を超えたり、曇りの日が続いたり、めちゃくちゃな状況ですね。北海道も38℃を超える異常事態です。
こんな状況下で、はたして我々の体の調子は健康に保たれるのでしょうか?
専門用語で、ホメオスタシス機能は正常に働くのでしょうか?
ホメオスタシスには、体温の恒常性、免疫の恒常性等がありますが、これらの恒常性が正常に保たれるとは思えないですよね。
周りにこんなに暑い日が続いているのに、咳をしている人、のど枯れしている人を見ませんか?ぼくも薬剤師ですので、よく病院で処方されている薬が効かないんだけとどうしたらよいか相談されますが、クリニックも特効薬は持ってないと答えてます。
こんな時期こそ漢方薬の出番
僕は、漢方を勉強するようになって、この時期の風邪であれば、ほとんど1日から2日で退散させることができるようになりました。
流石に、冬期に蔓延するインフルエンザは、漢方だけでは辛いことになってしまった経験もありますが。ウイルスが元気でとっても強いやつらがいますので。
麻黄湯だけで完治を目指しましたが、熱のせいで軽いパニック症状が出てしまい断念しました。
傷寒論(後漢時代に書かれた中国医学書)の秘術ー六病位による漢方治療
以前の記事で紹介しましたが、漢方では六病位といって病気の進行具体(経過日数)によって六つの段階に分け、段階ごとに有効な漢方薬を選択していく方法があります。
特に風邪については、ウイルスや細菌が、のど、鼻、目などの粘膜に侵入しようとしている、ちょっと侵入したため、免疫反応を開始したばかりの時期を、太陽病期としています。
この時期に漢方薬を飲むと非常に高い確率で、風邪の悪化を防ぐことができると実感しています。
よく健康食品でいわれる個人差がありますのでと申し上げておきますが。笑
さて、前置きが長くなりましたが、私の漢方薬による風邪退散の実体験をご紹介します。
簡単です。チクチク症状が出たらすぐに葛根湯を飲んでください
- のどの奥がチクチクする
- 声が出にくくなる
- 鼻の奥がチクチクする
- 目がチクチクする
見逃しがちな風邪の初期症状 首筋が凝る、痛い
- 首筋が凝る。手で揉むと気持ちがいい。これが意外と見逃しがちの風邪症状です
- 頭痛までいかないけど頭がちょっと痛い
この症状が出た場合も葛根湯を飲みましょう。葛根湯の効果表示に肩こりと書いてありますが、疲労から来る肩こりだけでなく、風邪の初期症状である肩こりや首筋のこりによく効きます。
ちょっと強いウイルスの場合は、関節が痛くなります。痛みもチクチクではなく痛い
この症状は、ちょっと強めのウイルスの侵入と思われます。葛根湯でも十分に効きますが、私の場合は、効果をシャープに出したいのでこのケースでは、麻黄湯の出番となります。
漢方薬は、配合されている生薬の数が少ないほど、効果が強く、早く、シャープに出ると言われています。一度試してみてください。
今回ご紹介した漢方薬は、西洋薬でいう頓服薬ですので、症状が出ているときに飲むようにしてください。体質改善のために飲み続ける漢方薬ではありません。
服用の目安は、1日から2日です。この期間で効かなかったら、西洋薬も併用してください。クリニックには、漢方薬の服用は一応伝えてください。
特に重篤ではありませんが、葛根湯や麻黄湯は、麻黄が入っていますので、胃の不快感や食欲不振、吐き気などを催す副作用、甘草が入っていますので、だるい、血圧上昇、むくみなどの副作用が報告されています。
症状が出たら服用はお休みしましょう。
恒常性(こうじょうせい)ないしはホメオスタシス(希: ὅμοιοστάσις、英: homeostasis)とは、生物および鉱物において、その内部環境を一定の状態に保ちつづけようとする傾向のことである。
紹介した漢方薬とその構成生薬
麻黄湯
麻黄、杏仁、桂皮、甘草
葛根湯(桂枝湯+麻黄+葛根)
桂皮、芍薬、大棗、生姜、甘草、葛根、麻黄