寒がり症(寒症)と暑がり症(熱証)で適用される漢方薬は違う!!
西洋薬には、熱を下げる薬やいくつもありますが、冷え性の人の体温を上げる薬はありません。漢方には体温を下げるものも上げるものもあるのです。
これが、冷え性の改善が漢方の得意とする分野であるといわれる由縁ではないでしょうか?
冷え性の克服、改善について、様々な文献や先生方の講演を詳しく調べて、特集していきたいと思います。
まず、我々は寒がり(寒証)と熱がり(熱証)の2つのタイプに大きく分けくることができます。これは我々人類も動物もそうですが、住んでいる環境によって熱帯地仕様(暑さには強く、寒さに弱い)と寒冷地仕様(暑さに弱く、寒さに強い)の体質(証)になっているといくわけです。
寒がり体質と熱がり体質の症候は、以下のようになります。自分がどちらのタイプか、検証してみてください。実は僕も必死で覚えてます。
寒がり(寒証)
- 熱がりで厚着をする。
- 電気毛布など温熱刺激を好む
- 口渇はないが温かいお茶を好む
- 顔面紅潮、眼球充血
- 四肢および腰背部に冷感を感じる
- 低体温傾向(36.2℃以下)
- 舌の紅色調が薄い 舌苔が湿潤
- 徐脈
- 温めると症状が改善する
熱がり(熱証)
- 熱がりで薄着を好む
- クーラーなどの寒冷刺激を好む
- 口渇があり、冷水を多飲する
- 顔面が蒼白
- 関節などの局所に熱感を感じる
- 高体温傾向(36.7℃以上)
- 舌苔の紅色調が濃い、舌苔が乾燥
- 頻脈
- 冷やすと症状が改善する
今回は、自分の体質が熱証が寒証かをしっかり判定してほしいのですが、この判定は漢方薬を選定するうえで非常に重要です。
例えば、膝の関節が痛いときに、冷え性(寒証)で、関節に熱感を感じることがない場合は、桂皮加苓朮附湯が使用され、冷えもなく間接が浮腫んでいて熱感を感じる場合(熱証)は、越婢加朮湯が使用します。
下記に、配合される生薬を列記しましたが、寒がりと暑がりの人用に明らかに真逆の効果をもつ生薬が配合されています。
例えは、寒がりには、附子(トリガブトの毒抜きしたもの)と桂皮(シナモン)が入っており、暑がりには(微熱、炎症もある)には、石膏(体を冷やす)が入っています。
次回の記事では、更に詳しく、熱証と寒証の体質と漢方薬について詳しく説明していきたいと思います。。。。。
桂皮加苓朮附湯
- 桂皮(ケイヒ)
- 芍薬(シャクヤク)
- 茯苓(ブクリョウ)
- 蒼朮(ソウジュツ)
- 附子(ブシ)
- 生姜(ショウキョウ)
- 大棗(タイソウ)
- 甘草(カンゾウ
越婢加朮湯
- 麻黄(マオウ)
- 石膏(セッコウ)
- 蒼朮(ソウジュツ
- 大棗(タイソウ)
- 甘草(カンゾウ)
- 生姜(ショウキョウ)
引用:【
Dr喜多のプライマリケア漢方講座】Step1-4 冷えを温める漢方診療の 秘訣 https://www.youtube.com/watch?v=w2dklLhwv-Q&t=1504s