しつこい頭痛を漢方で克服、片頭痛ー五苓散、呉茱萸湯、釣藤鈎
漢方で頭痛の改善・解消
最近、精神疾患関連の記事を立て続けに書いています。それは、この異常な真夏の高温のせいでこれまで経験していないような精神疾患に私自身が襲われたからです。
更に、お袋が靭帯の手術を受けてから痛みが長引いたせいで、痛みが引いた後も、眠れない、食べれない、動悸がするなどの症状がでているようで、SSRI、SNRI、NaSSA、ベンゾジアゼピン系やらありとあらゆる薬を、心療内科から処方されているようです。
自分にも身内にもこれだけ精神障害が降りかかているため、なんとか漢方で解決できないかと調べつくしているわけです。
私は、気温が落ち着いてきたせいか、症状はかなり改善していて安心しています。
耳鳴りに対しては、西洋薬はアデホスとメチコバール、漢方薬は、五苓散、八味地黄丸を服用、予期不安からくるのぼせには、メイラックスと桂枝加竜骨牡蛎湯で対処しています。
ところで真夏なのに、風邪の症状が出ませんでしたか?
私は痰がからんだり、声が出なくなったり、軽い頭痛や首筋の凝りが出たりんしたので、葛根湯と麻黄湯の頓服服用で、乗り切りました。
本当に、太陽病期(風邪の引き始め)を逃さなければ、葛根湯と麻黄湯は本当によく効きます。
さて、今回の記事は、悪天候で頭が痛くなる、頭痛薬が効かない、アスピリンアレルギーで頭痛薬が飲めない、病院の検査で異常無しの人のために、有効漢方薬をご紹介します。
漢方では、頭痛は、水滞、気逆、気鬱、血虚で出現する症状と考えれています。
目次
漢方からみた頭痛の原因と適応する漢方薬
気、血、水の流れの悪い人は、頭痛、めまいの身体症状がおきます。
漢方ではこれらの流れの悪いことを、水滞、血虚、瘀血、気逆、気鬱といい、頭痛や眩暈を引き起こします。
水滞による頭痛
漢方では、血管内外、細胞内外の体液バランスが異常になっていること、体内での水の偏在を水滞と呼んでいます。
脳は、脳脊髄液という水の中に浮かんでいます。この脳脊髄液が停滞したり過剰になると(脳がむくむ)、むくんだ脳が脳神経を圧迫することにより頭痛が発生します。
低気圧の接近や雨天で悪化する頭痛は、水滞が原因の可能性ありです。
また、水滞は、胃内停水といって胃内に水が停滞する可能性があるので、吐き気や嘔吐をともなうことが多いです。
ちなみに、二日酔いの頭痛には本当によく効きます。私は、常習者です。^_^
水滞を解消する利水剤
水滞を改善する漢方薬を利水剤といいます。
これは西洋薬でいう利尿薬とは違って腎臓に直接働きかけて利尿を促進するだけではなく、血管内外、細胞内外の体液バランスが異常になっているものを(漢方ではこのような水の偏在を水滞と呼んでいます) を、正常にするのが利水剤です。
下記のものは水滞を改善する方剤であるが、五苓散や苓桂朮甘湯は、桂皮を含んでいることから、水滞に気逆をともなうような発作性の頭痛に有効です。
五苓散、苓桂朮甘湯、半夏白朮天麻湯、当帰芍薬散
気逆による頭痛
頭痛、動悸、のぼせなどの症候は、気の上衝がその原因と考えられています。
気の上衡とは、気の流れに異常をきたして、本来下方向に流れるべき気が、上方向に激しく流れる病態をあらわしたもので、漢方では気逆と呼ばれます。
気逆を解消する降気剤
気逆を改善する漢方薬は、降気剤です。
気逆の頭痛の方剤として、下記の4方剤を挙げましたが、発作時には呉茱萸湯がもっとも有効で、当帰四逆加呉茱萸生姜湯や温経湯は発作(発作間欠期)のないときに服用すのがよいでしょう。
また、呉茱萸は大変苦い生薬ですので、どうしても飲めない場合は桂皮の含まれる桂皮人参湯を代用されます。
呉茱萸湯は、冷えを温めながら気逆を改善する呉茱萸と脾胃の働きを改善する人参、大棗、生姜が含まれていますが、桂枝人参湯も冷えを温めながら気逆を改善する桂枝が含まれていることから、これらの方剤は同様の効果が期待されます。
呉茱萸湯、当帰四逆加呉茱萸生姜湯、温経湯、桂枝人参湯
気鬱による頭痛
気鬱は、気逆が気の上衝であるのに対して、気の停滞のことです。
気の停滞により、抑うつや不安といった精神症状や喉や胸のつかえ、食欲不振などの身体症状があらわれます。
気鬱を解消する理気剤
気鬱を改善する漢方薬は、理気剤と呼ばれます。
釣藤散、加味逍遙散、女神散、芎帰調血飲、九味檳ろう湯
気逆による頭痛と気鬱による頭痛の見分け方
頭痛は、気逆や気鬱などのストレス障害から引き起こされる場合がありますが、気逆と気鬱によって頭痛などの付随の症候が違ってきます。
この違いによって漢方薬を選択していくことがより強い効果を得るための秘訣となります。
頭痛が発作性であるか、持続性であるか、痛みの箇所局所的であるか、広範囲であるか、吐き気をともなうか、肩こりをともなっているか等がポイントです。