漢方薬(利水剤)の有効なめまい・頭痛 五苓散、苓桂朮甘湯、当帰芍薬散
めまいの漢方薬は、五苓散、苓桂朮甘湯、当帰芍薬散
今回は、有毒水の体内での停滞、特に漢方でいう水滞(水毒・有害物質の停滞)によりめまいが起こる原因と特にめまいの改善方法を紹介したいと思います。
めまい発生の原因を下記紹介しいますが、中枢性のめまい以外は(病院に即いきましょうう)、漢方を試してみる価値はあります。
目次
めまいの発生原因と種類
めまいは、回転性、非回転性、末梢性、中枢性など様々に分類されますが、下記のメニエール、起立性調節障害などは、水滞が関与している症例(赤字)が多い。
回転性のめまい(ぐるぐる)
末梢性のめまい→内耳や前庭神経に異常→メニエール病、良性発作性頭位めまい
中枢性のめまい→脳幹、小脳に異常→脳腫瘍、脳血管障害
非回転性のめまい(ふらふら)
自律神経障害、起立性調節障害、代謝内分泌障害、アレルギー性疾患、婦人科的疾患・更年期障害(瘀血)、心身症・不安神経症(気鬱)
めいまいの適用される代表的な利水剤
五苓散
・めまい、メニエール、頭痛、浮腫
・胃もたれ、消化不良、吐気、嘔吐、胃部振水音、腹鳴、軟便・下痢
・尿量、尿回数の異常、ネフローゼ、
・口渇、尿不利、自汗
めまいに適用される五苓散類似薬(1)
苓桂朮甘湯
・めまい、メニエール、頭痛、浮腫
・起立性低血圧
・ネフローゼ
・神経質、ノイローゼ
・動悸、息切れ
めまいに適用される五苓散類似薬(2)
当帰芍薬散
水滞の症候と血虚の諸侯の両方を併せ持つ症候
・めまい、頭痛、頭重、浮腫、
・動悸
水滞の症状
- 脳室・内耳:めまい、頭痛
- 鼻腔・気道:頭部:鼻汁、喀痰(痰をはくこと)
- 下肢:浮腫、関節水腫
- 胃腸:消化器症状
- 腎臓・膀胱:尿量、尿回数異常
- その他:手のこわばり
津虚の症状
- 全身:微熱、夕方以降の微熱、寝汗
- 精神:ソワソワ、イライラ、神経過敏
- 頭部:目が乾く、口が乾く、耳鳴り、顔が赤い、のぼせ・ほてり、舌は赤くコケがない
- 四肢(手足):関節が動かしにくい
- 皮膚:肌のかさかさ・乾燥
- その他:空咳、動悸、尿量が少ない、便秘(コロコロ)
血虚の症状
- 全身:疲れやすい、体がだるい,体重減少,貧血、
- 精神:物忘れ、集中できない、不眠
- 頭部: 顔色が悪い,めまい,立ちくらみ、髪にツヤがなく枝毛が多い、白髪、抜け毛、かすみ目、疲れ目、口が渇く
- 四肢(手足):手足のしびれ、筋肉のけいれん、こむら返り、筋肉量減少
- 皮膚:皮膚のかさかさ、肌荒れや小ジワが気になる、爪が薄く折れやすい
- その他:生理が遅れ気味で経血量が少ない、動悸、息切れ
腎(五臓六腑)と水滞と津虚
腎の働きは、津液・浄水(リン、ナトリウム、カリウムなどの無機資源)を全身に送り出し、全身から帰ってくる汚水・水毒(有害物質)を浄化し尿に排泄します。
津虚
津液・浄水の不足
水滞
汚水・水毒などの有毒物質は、尿、痰や胃酸として対外に排出されますが、水滞は、これらの排出に障害が生じておこる症候です。
- 膀胱より尿
- 胃か胃酸(胃がむかむする、水が溜まったいる)
- 気道から痰(異常な痰が出たりする)
- 皮膚から汗(粘った気持ちの悪い汗、シャツが黄色くなったりする)
今回紹介した漢方薬と生薬
五苓散
猪苓:利水滲湿、清熱
沢瀉:利水滲湿、清熱
茯苓:利水滲湿、健脾和中
白朮:燥湿利水、補脾益気
桂皮:通用利水、散寒止痛
苓桂朮甘湯
茯苓:利水滲湿、健脾和中
白朮:燥湿利水、補脾益気
桂皮:通用利水、散寒止痛
甘草:脾胃保護、薬性緩和
当帰芍薬散
茯苓:利水滲湿、健脾和中
白朮:燥湿利水、補脾益気
沢瀉:利水滲湿、清熱
当帰:補血調整、静寒止痛
芍薬:和血通脈、緩急止痛
川芎:活気行気、祛風止痛
引用文献:好きになる漢方医学 喜多敏明著 千葉大学環境健康フィールド科学センター