冷えを温める漢方薬ー当帰四逆加呉茱萸湯
冷え性に有効な漢方薬は、当帰(生薬)を含有する方剤
さて、今回は具体的な冷えを温める漢方薬による治療(漢方治療)について、喜多先生のプライマリーケア漢方講座の動画を元にご報告します。
冷えの症状に使用する漢方薬は、当帰を含むものを選択
冷えを訴える患者さんには、第一選択薬の当帰四逆加呉茱萸湯を試してみて下さい。10日ほど試して冷えが治らず、浮腫みがある場合、当帰芍薬散に変えてみてください。
冷え性を解消する温熱効果のある生薬のもっとも多くの種類が入っているのは、当帰四逆加呉茱萸湯ですので、最初に試す価値はありそうですね。
当帰四逆加呉茱萸湯 ➡冷えの第一選択薬(しもやけ、レイノウ患者)
当帰芍薬散➡当帰四逆加呉茱萸生姜湯の効果が不十分で、浮腫みや月経不順がある
当帰建中湯➡当帰四逆加呉茱萸生姜湯が苦く手飲めない
【第2類医薬品】当帰四逆加呉茱萸生姜湯エキス錠クラシエ 48錠
冷えの症状があると同時にのぼせのある人は、別の当帰剤が選択れます
一般的に下半身が冷えていて、上部が熱があるとぼせを感じます。のぼせ解消するために、身体全体を温めてしまうとのぼせがさらにひどくなるので、下半身だけを温める漢方薬が必要となります。神業。。。。笑
温経湯➡冷えのぼせが強い
五積散➡冷房で痛み、痛みやしびれが悪化
加味逍遙散➡イライラや精神不安をともなう
使用されている漢方薬と構成生薬
当帰四逆加呉茱萸湯の生薬
当帰(トウキ)、桂皮(ケイヒ)、呉茱萸(ゴシュユ)、生姜(ショウキョウ)
芍薬(シャクヤク)、木通(モクツウ)、細辛(サイシン)、甘草(カンゾウ)
大棗(タイソウ)
当帰芍薬散の生薬
当帰、芍薬、川芎、茯苓、蒼朮(または白朮)、沢瀉
当帰建中湯の生薬
当帰、桂皮、芍薬、生姜、大棗、甘草
温経湯の生薬
麦門冬、半夏、当帰、甘草、桂皮、芍薬、川芎、人参、牡丹皮、呉茱萸、生姜、阿膠
五積散の生薬
蒼朮、陳皮、当帰、半夏、茯苓、甘草、桔梗、枳実 、桂皮、厚朴、芍薬、生姜、大棗、川芎、白芷、麻黄
加味逍遙散の生薬
柴胡、芍薬、当帰、茯苓、蒼朮、山梔子、牡丹皮、甘草、生姜、薄荷(ハッカ)
※上記のどの方剤にも当帰が入っています。その他以前紹介した温熱薬(赤の生薬は温熱薬)も入っていて、冷えを温める効果があることがわかります。
引用:【
Dr喜多のプライマリケア漢方講座】Step1-4 冷えを温める漢方診療の 秘訣 https://www.youtube.com/watch?v=w2dklLhwv-Q&t=1504s
呉茱萸
冷えを改善する作用があります。冷えによる胃痛、腹痛、関節痛、頭痛などを改善するのに効果的です。
引用:http://www.hana300.com/gosyuy.html