壮健な人(実症)と虚弱な人(虚証)で適用される漢方薬は違う!!
漢方放浪記のブログを立ちあがてから約9か月が経過し、記事数も50近くなりました。
この期間に漢方薬・生薬認定薬剤師の資格も取得し、漢方薬の調査・勉強や実際の服用を通して、漢方薬に対する理解度も相当改善したのではないかと思っています。(笑)
漢方では、同病異治(どうびょういち)といって、人はそれぞれ固有の体質を持ち、症状のあらわれ方も個々人によって違うので、同じ病気でも適用される漢方薬が異なってきます。
今回は、漢方で頻繁に使われる「虚証」、「実証」についておさらいをしたいと思います。
簡単に言いますと、虚証は虚弱な人が不健康になった状態、実証は、壮健な人が不健康になった状態です。
自分の体質が「虚証」と「実証」のどちらかをしることは漢方薬の効果を最大限引きだすための秘訣となります。
例えば、風邪の初期症状で、汗をすごくかく人とまったくかかない人がいます。
前者は虚証で、後者は実証です。
風邪を引いて汗をかいている人(虚証)には、桂枝湯が、
風邪を引いて汗をかいてない人(実証)には、麻黄湯が適用されます。
胃腸の調子が悪い場合で、胃酸が多い・胸焼けがあるには(実証)、黄連解毒湯・三黄瀉心湯が、
胃酸が少ない・もたれる(虚証)には、六君子湯・人参湯が有効です。
目次
下記は、
虚証・実証セルフチェック表
下記のチェックリストでご自身が虚証であるか実証であるかチェックしてみてください。
実証と虚証がとっても理解しやすいと思います。
1.体質
虚証:体力がなく疲れやすい、虚弱
実証:体力があり疲れにくい、壮健
2.汗
虚証:汗をかきやすい
実証:汗をかきにくい
3.顔色
虚証:青白い、黄色い
実証:赤い
4.呼吸
虚証:弱い
実証:荒い
5.声
虚証:低く弱い
実証:高く強い
6.舌
虚証:肥大、歯痕がある、淡白色舌苔が地図状、舌苔が少ない
実証:舌苔が厚い、舌苔が隙間なく生えている
7.胸・腹部
虚証:柔らかい
実証:張り感がある、圧痛がある
虚証:患部を触れられるのを好む
実証:患部を触れられるのを好まない
8.便通
虚証:軟便、下痢しやすい
実証:便秘ぎみ
9.精神
虚証:消極的、委縮しやすい
実証:積極的、興奮しやすい
10.水分代謝
虚証:水分代謝がいい
実証:余分な水分を溜めやすい
11.病気の症状
虚証:穏やか、慢性的
実証:激しい、急性的
12.動作
虚証:静か
実証:活発
診断結果!
チェックした項目の合計数が虚証のほうが多かった人
→ 1:虚証
チェックした項目の合計数が実証のほうが多かった人
→ 2:実証
チェックした項目の合計数が虚証、実証とほぼ同数だった人
→ 3:虚実混合証