漢方放浪記100歳まで美健康

外資系商社マンの漢方薬・生薬認定薬剤師が、漢方による体質改善がどのようなものなのか、調べつくし自らも試し体得していきます。

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高齢者の痛み、関節痛、腰痛、神経痛、しびれに7種の漢方薬

高齢者の腰下肢痛に対する漢方治療

高齢者の腰下肢痛の第一選択薬は、附子剤

高齢者の場合(私のような56才も含まれるのか?笑)の痛みには、附子剤が第一選択薬であり、お腹の調子が良い人は、八味地黄丸や牛車腎気丸のように地黄を含むものを、胃の弱い人は、芍薬を含むものがよく効きます。

このブログではまだ詳しく説明していないのですが、漢方には五臓六腑という考え方があって、それらの内臓機能の状態によっても漢方薬を使い分けていく方法もあります。

高齢者のほとんどの場合が、腎虚(腎:現代医学の腎臓、膀胱、生殖器を含むものが腎と考えられており、それらの臓器の機能が低下)の状態となっています。これらの高齢者には附子が有効です。

胃腸の調子が良くない人は、脾虚(脾:現在医学で言う脾臓ではなく、膵臓までを含むものではないかと言われている、脾虚:消化器系の機能が低下している)には、地黄が使えないので、芍薬を代用で使用されることになります。

  • 八味地黄丸、牛車腎気丸            
  • 桂枝加苓朮附湯、桂枝加芍薬地母湯 胃腸が弱い人には、地黄含有しない附子

高齢者の腰下肢痛の第二選択薬、附子剤無効時には当帰剤

第一選択薬の附子剤の効果がない場合は、当帰剤を適用します。特に、上熱下寒の場合は、全体を温める附子剤ではのぼせが出る可能性があるので、下半身だけを温めることのできる当帰剤を使用します。

下記の漢方薬には、当帰芍薬が含まれていて、冷えを伴う筋肉の緊張と血流の低下を改善します。

  • 当帰四逆加呉茱萸湯⇒高齢者で冷えが強い(寒証)
  • 疎経活血湯⇒高齢者で冷えは弱いが、血虚、瘀血の症候がある場合に選択します。

高齢者の腰下肢痛の第三選択薬、当帰と附子で対応

当帰剤も附子剤も効果がない場合は、附子と当帰の両方が使用されている方剤を使用

  • 大防風湯⇒高齢者で寒がり(寒証)の痛みに附子と当帰で対応する

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今回紹介した漢方薬と生薬

八味地黄丸 

含まれている生薬は名前の通り、8種類で地黄、 山茱萸、山薬、沢瀉、茯苓、牡丹皮、桂皮、附子末です。今回この8種類の生薬を覚えましょう!!花も一緒に勉強しなおしです。

これらの生薬は、腎虚(加齢による腎臓機能の低下)に対抗する生薬たちです。

  • 性欲低下、不妊
  • 骨、歯牙の形成低下
  • むくみ(浮腫)、夜間尿、目や皮膚の乾燥
  • 息切れ
  • 健忘、根気が無い、恐れ、驚き
  • 白内障、耳鳴り 

地黄:増血、解熱、強壮などの作用があります。貧血や虚弱体質を改善する目的で、高齢者や婦人病に用いる漢方薬に配合されます。糖尿病や前立腺肥大、白内障にも幅広く使われます。

 

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地黄 ジオウ

山茱萸:腎の不調を改善することによって、頻尿や尿もれなどを治します。このほか、耳鳴りやめまい、ED(インポテンツ)などにも効果的です。 

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山茱萸

 山薬:消化を助け、便通を正常にします。さらに、夜尿症、頻尿などの泌尿器系の疾患にも効果的です。 

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ヤマノイモ、ナガイモ

 

変形性膝関節症向けの9種の漢方薬と選び方

これまで漢方薬によって、冷えの解消、冷えを温めることが色々な症状を改善できることを集中的に報告してきました。冷えを解消する温熱薬(漢方薬)は、当帰、生姜、桂枝、山茱萸、附子などの生薬が入っているものであり、それらは辛い冷えを解消できる、また冷えを解消することにより胃腸障害や頭痛もよくなることも報告しました。

若干ですが、冷え解消による腰痛の改善についても述べましたが、この回からは、漢方による色々な痛みに対する漢方治療について報告したいと思います。

今回の記事は、変形性膝関節症(関節の軟骨がすり減って痛みや腫れが起こり、それが続くと関節の変形をきたす病気)の痛み対策について紹介します。

熱証と寒証の変形性膝関節症の違い

寒がり(寒証)の変形性膝関節症とは、

寒い季節になると膝が痛くなり、お風呂に入ると楽になる。 膝には水はたまってないし、幹部に熱はない。このような方には、桂枝加苓朮附湯が使用されます。

熱がり(熱証)の変形性膝関節症とは、

若いころにスポーツをしていたりして、年をとって膝に水がたまる、膝にさわると熱を感じ、炎症がある。このような方には、越婢加朮湯が使用されます。

熱証場合は、炎症が起きているので、抗炎症薬も有効であるが、寒証の場合は、炎症がおきてないので、抗炎症薬は効かないようです。

寒証でも熱証でもない変形性膝関節症

四肢関節(両手両足の関節)に、浮腫(むくみ)と疼痛(痛み)があるが、熱はない、非ステロイド系の抗炎症剤が無効であり、冷えが強く胃腸の調子が悪い。入浴すると楽になる。このような方には、寒証に使用する桂枝加苓朮附湯が適用されますが、防己黄耆も併用します。

慢性の変形性膝関節症(血虚の体質をともなっている)

変形性膝関節症が長期に続く(慢性)、血虚の膝関節症には、桂枝加苓朮附湯、防己黄耆湯、越婢加朮湯効果ありません。

血虚は、血液生産、循環、組織での利用がうまくいかない状態で、皮膚疾患、筋肉痛、神経痛、関節疾患を引き起こします。

血液は、肝臓で製造されたタンパクやアミノ酸を、身体部位に運ぶことが一つの機能ですが、これがうまく機能しない場合、変形した膝関節の滑膜の再生・修復ができなくなります。

まずは、自分の体質が、血虚かどうか自己診断をしてみましょう。

血虚の症状

  • 全身:疲れやすい、体がだるい、体重減少、貧血
  • 精神:物忘れ、集中できない、不眠
  • 頭部: 顔色が悪い、めまい,立ちくらみ、髪にツヤがなく枝毛が多い、白髪、抜け毛、かすみ目、疲れ目、口が渇く
  • 四肢(手足):手足のしびれ、筋肉のけいれん、こむら返り、筋肉量減少
  • 皮膚:皮膚のかさかさ、肌荒れや小ジワが気になる、爪が薄く折れやすい
  • その他:生理が遅れ気味で経血量が少ない、動悸、息切れ

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血虚であと同時に、変形性膝関節症が熱証(暑がり)であるか寒証(冷え性)であるかによって使用される漢方薬が選択されます。

  • 冷えの症状があり、皮膚の乾燥やこむら返り、目の乾燥があり(血虚の症候)、変形性両膝関症で、痺れがある人には、大防風湯が使用されます。
  • 特に冷えは無く、むくみがあり、血虚の症候のある腰痛、両膝関節痛には、疎経活血湯
  • 熱症(暑がり、幹部に炎症・熱がある)で、むくみが有り、血虚の症候のある変形性膝関節症には、薏苡仁湯(ヨクイニン、ハトムギ)が使用されます。

 

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今回紹介した漢方薬の構成生薬

大防風湯

防風、羗活の組み合わせで、止痛作用を強化します。

防風(ぼうふう)

発汗、解熱、鎮痛作用があり、感冒、頭痛、身体疼痛を改善する薬方に用いる。 

羌活(きょうかつ)

発汗、鎮痛作用があり、筋肉痛、神経痛、関節痛などの痛みや皮膚病を改善する薬方に配合される。

 

冷えからくる関節のむくみ・疼痛や手足の痺れの漢方薬治療 

冷えが原因の関節痛・腰痛・神経痛には、附子剤が第一選択薬

冷え性の人は、体の冷えとともに、少なからず腰痛、神経痛、関節痛などの様々な疼痛(ずきずきとうずくように痛むこと)に悩まされていると思います。

どの疼痛も冷やした方が痛みが和らぐのではないかと思いがちですが、温めてやることも多くの痛みの解消に効果があります。バップ剤やシップ剤も温寒両方ありますしね。

漢方は、外皮より温めたり冷やしたりというよりも、体の中から温めるイメージではないでしょうか?

今回も冷えの体質を退治することにより、様々な疼痛を解消できる漢方薬を紹介します。

目次

附子剤:冷えによって悪化する関節の腫帳・疼痛、手足の痺れ

冷えを感じて、関節の痛みや手足の痺れには、附子(トリカブトからアコニチンという毒物を抜いたもの)という生薬が使用されます。

トリカグトから毒を抜いた生薬と言え、ちょっと恐ろしい気もしますが、これがとっても効きます。僕は、八味地黄丸を常用していますが、ポカポカというよりカッカという感じでしょうか?  

  • 八味地黄丸
  • 桂枝加苓朮附湯
  • 桂枝加芍薬智母湯
  • 大防風湯

生姜剤:四肢の冷え(両手・両足の冷え)、関節痛を改善する

  • 苓姜朮甘湯
  • 大防風湯
  • 当帰湯

紹介した漢方薬と構成生薬

八味地黄丸

地黄、 山茱萸、山薬、沢瀉、茯苓、牡丹皮、桂皮、附子末

桂枝加苓朮附湯

桂皮、芍薬、蒼朮、茯苓、附子、生姜、大棗、甘草

桂枝加芍薬智母湯

麻黄 , 防風 , 桂皮 , 芍薬 , 生姜 , 知母 , 朮 , 甘草 , 附子

大防風湯

当帰 , 芍薬 , 地黄 , 黄耆 , 防風 , 杜仲 , 朮 , 川芎 , 人参 , 羌活 , 牛膝 , 甘草 , 大棗 , 生姜 , 附子

苓姜朮甘湯

茯苓、白朮、乾姜、甘草

当帰湯

当帰、桂皮、芍薬、半夏、厚朴、人参、黄耆、山椒、乾姜、甘草

 

八味地黄丸のご購入はこちらから。 


【第2類医薬品】八味地黄丸料エキス顆粒クラシエ 45包

冷えからくる慢性の胃腸病に適用される8種の漢方薬

冷えをともなう胃腸障害の人には、人参湯、真武湯、安中散

寒がりの人(寒証)の慢性の胃腸障害人向けの漢方の秘訣バージョンです。

おそらく、腰痛や筋肉痛とおなじくらいの冷え性の人の悩みではないでしょうか?

以前、疲れやすい人(全身倦怠感、気虚)向けに食欲増進の効果のある六君子湯をご紹介しましたが、冷え性の人で、六君子湯で効果が無い場合、人参湯などの以下の漢方薬を試して頂きたいと思います。

では、いつもように、尊敬する喜多先生のプライマリーケア漢方講座をもとに解説してきたいと思います。

冷え性の慢性の胃腸障害に使用される漢方薬には、これまで紹介してきた当帰ではなく、温熱剤であり辛味性健胃薬でもある生姜、乾姜が使用される生薬となります。

風邪を引いたときとかにおばあちゃんが、生姜湯とか出してくれましたよね。ぼくは子供の頃、生姜の味(ジンジャー)は嫌いでしたので、いい迷惑でしたが。

冷えを伴う慢性の胃腸障害

人参湯➡冷えの慢性胃腸障害の第一選択薬です。

真武湯➡下痢気味のため人参湯の効果が不十分

大建中湯➡便秘気味のため人参湯の効果が不十分

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Dr喜多の「プライマリケア漢方」講座より引用

冷えを伴う頭痛のあるの胃腸障害

桂枝人参湯➡第一選択薬、まずはこの漢方を試してください

呉茱萸湯➡頭痛が強いく胃腸の調子がわるい

半夏白朮天麻湯➡頭痛以外に、めまいがある

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Dr喜多の「プライマリケア漢方」講座

冷えを伴い、腹痛のある胃腸障害

小建中湯➡第一選択薬

安中散 ➡小建中湯で効果が不十分で痛みが取れない、腹満、げっぷ、胃がきりきり痛む(ストレス性の胃炎)

今回紹介した漢方薬と構成生薬

人参湯
人参、甘草、蒼朮、乾姜
真武湯
茯苓、芍薬、蒼朮、生姜、附子末
大建中湯
山椒、人参、乾姜、膠飴
小建中湯
芍薬、桂皮、大棗、甘草、生姜、膠飴
桂枝人参湯
桂皮、甘草、蒼朮、人参、乾姜
呉茱萸湯
呉茱萸、人參、大棗、生姜
半夏白朮天麻湯
半夏、白朮、陳皮、茯苓、麦芽、天麻、生姜、黄耆、人参、沢瀉、黄柏、乾姜
安中散
桂皮、延胡索、牡蛎、茴香、甘草、縮砂、良姜 

生姜、乾姜 
胃腸を温め、冷えをとるため、頻尿、腹痛、腰痛などに効果的です。冷えによるせきやたんなどにも有効です。苦味性健胃薬。

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生姜 

 六君子湯については、下記からどうぞ。

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 冷え解消は、当帰ですが、冷えと胃腸障害が合わさると生姜が入ります。

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冷えを温める漢方薬ー当帰四逆加呉茱萸湯

冷え性に有効な漢方薬は、当帰(生薬)を含有する方剤

さて、今回は具体的な冷えを温める漢方薬による治療(漢方治療)について、喜多先生のプライマリーケア漢方講座の動画を元にご報告します。

冷えの症状に使用する漢方薬は、当帰を含むものを選択 

冷えを訴える患者さんには、第一選択薬の当帰四逆加呉茱萸湯試してみて下さい。10日ほど試して冷えが治らず、浮腫みがある場合、当帰芍薬散に変えてみてください。

冷え性を解消する温熱効果のある生薬のもっとも多くの種類が入っているのは、当帰四逆加呉茱萸湯ですので、最初に試す価値はありそうですね。

当帰四逆加呉茱萸湯 ➡冷えの第一選択薬(しもやけ、レイノウ患者)

当帰芍薬散当帰四逆加呉茱萸生姜湯の効果が不十分で、浮腫みや月経不順がある

当帰建中湯当帰四逆加呉茱萸生姜湯が苦く手飲めない

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Dr喜多の「プライマリケア漢方」より引用


【第2類医薬品】当帰四逆加呉茱萸生姜湯エキス錠クラシエ 48錠


【第2類医薬品】クラシエ当帰芍薬散錠 180錠

冷えの症状があると同時にのぼせのある人は、別の当帰剤が選択れます

一般的に下半身が冷えていて、上部が熱があるとぼせを感じます。のぼせ解消するために、身体全体を温めてしまうとのぼせがさらにひどくなるので、下半身だけを温める漢方薬が必要となります。神業。。。。笑

温経湯冷えのぼせが強い

五積散冷房で痛み、痛みやしびれが悪化

加味逍遙散イライラや精神不安をともなう

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Dr喜多の「プライマリケア漢方」講座より引用

使用されている漢方薬と構成生薬

当帰四逆加呉茱萸湯の生薬

当帰(トウキ)、桂皮(ケイヒ)、呉茱萸(ゴシュユ)、生姜(ショウキョウ)
芍薬(シャクヤク)、木通(モクツウ)、細辛(サイシン)、甘草(カンゾウ)
大棗(タイソウ)

当帰芍薬散の生薬

当帰、芍薬、川芎、茯苓、蒼朮(または白朮)、沢瀉

当帰建中湯の生薬

当帰、桂皮、芍薬、生姜、大棗、甘草

温経湯の生薬

麦門冬、半夏、当帰、甘草、桂皮、芍薬、川芎、人参、牡丹皮、呉茱萸生姜、阿膠

五積散の生薬

蒼朮、陳皮、当帰、半夏、茯苓、甘草、桔梗、枳実 、桂皮、厚朴、芍薬、生姜、大棗、川芎、白芷、麻黄

加味逍遙散の生薬

柴胡、芍薬、当帰、茯苓、蒼朮、山梔子、牡丹皮、甘草、生姜、薄荷(ハッカ)

※上記のどの方剤にも当帰が入っています。その他以前紹介した温熱薬(の生薬は温熱薬)も入っていて、冷えを温める効果があることがわかります。

引用:【Dr喜多のプライマリケア漢方講座】Step1-4 冷えを温める漢方診療の秘訣 

https://www.youtube.com/watch?v=w2dklLhwv-Q&t=1504s

 

 呉茱萸

冷えを改善する作用があります。冷えによる胃痛、腹痛、関節痛、頭痛などを改善するのに効果的です。

 

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呉茱萸 ごしゅゆ

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ゴシュユの未成熟な果実を乾燥させたもの

 引用:http://www.hana300.com/gosyuy.html

 

 

冷えを温める漢方薬と冷やす漢方薬ー温熱薬・寒涼薬

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当帰 学名:Angelica acutiloba Kitagawa

漢方薬を構成する生薬には、体を温めるものと冷やすものがある!!

前回の記事では、寒証と熱証の症候・体質について説明しましたが、今回は、寒がり体質(寒証)と熱がり体質(熱証)に利用される生薬(漢方薬の構成成分)にはどのようなものがあるか紹介します。

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寒証には温熱薬と熱証には寒涼薬です。漢方薬の説明書に生薬の種類が記載されているので、冷え性に効果があるのか、熱がりを冷やすのに効果があるのか参考にしてみてください。漢方薬の名前は、ちょっと特殊で、わかりにくいですが生薬の名前や効果を覚えていると、最近推奨されているセルフメディケーションにも役立つと思います。

温熱薬

  • 冷えを温める
  • 新陳代謝と血行を促進する
  • 附子、乾姜、呉茱萸、桂皮、当帰

冷えを最も強く温めることのできるのは附子(ブシ、トリカブトの毒抜きをしたもの)で、2番目は乾姜(カンキョウ=しょうが)です。

寒涼薬

  • 熱を冷ます
  • 抗菌、炎症、鎮痛作用
  • 黄金、黄連、黄柏、大黄、石膏

黄色言う文字が入っているものは、熱を冷ますのに効果があるようです。石膏は、とくに肺の熱や炎症をしずめる働きと利尿作用があり、天然の石膏をくだいて粉にしたものです。

 

冷えを温めるための生薬で最も多くの漢方薬処方に使用されているのは、当帰です。以前にも説明したかもしれませんが、当帰は血液を補う作用があります(補剤)。血液不足や血行不良によって起こる冷えや月経不順、月経痛、更年期障害などを改善します。

冷えを温める漢方薬の第一選択薬は、当帰四逆加呉茱萸生姜湯です。これは、名前に温熱薬のほとんどが入っています。

冷えを温める漢方の秘訣 PATRⅣでは、当帰四逆加呉茱萸生姜湯をはじめとした冷えを温める漢方処方とその効果を報告したいと思います。

 

引用:【Dr喜多のプライマリケア漢方講座】Step1-4 冷えを温める漢方診療の秘訣 

https://www.youtube.com/watch?v=w2dklLhwv-Q&t=1504s

 

寒がり症(寒症)と暑がり症(熱証)で適用される漢方薬は違う!!

西洋薬には、熱を下げる薬やいくつもありますが、冷え性の人の体温を上げる薬はありません。漢方には体温を下げるものも上げるものもあるのです。

 

これが、冷え性の改善が漢方の得意とする分野であるといわれる由縁ではないでしょうか?

 

冷え性の克服、改善について、様々な文献や先生方の講演を詳しく調べて、特集していきたいと思います。

 

まず、我々は寒がり(寒証)と熱がり(熱証)の2つのタイプに大きく分けくることができます。これは我々人類も動物もそうですが、住んでいる環境によって熱帯地仕様(暑さには強く、寒さに弱い)と寒冷地仕様(暑さに弱く、寒さに強い)の体質(証)になっているといくわけです。

 

寒がり体質と熱がり体質の症候は、以下のようになります。自分がどちらのタイプか、検証してみてください。実は僕も必死で覚えてます。

 

寒がり(寒証)

  • 熱がりで厚着をする。
  • 電気毛布など温熱刺激を好む
  • 口渇はないが温かいお茶を好む
  • 顔面紅潮、眼球充血
  • 四肢および腰背部に冷感を感じる
  • 低体温傾向(36.2℃以下)
  • 舌の紅色調が薄い 舌苔が湿潤
  • 徐脈
  • 温めると症状が改善する

熱がり(熱証)

  • 熱がりで薄着を好む
  • クーラーなどの寒冷刺激を好む
  • 口渇があり、冷水を多飲する
  • 顔面が蒼白
  • 関節などの局所に熱感を感じる
  • 高体温傾向(36.7℃以上)
  • 舌苔の紅色調が濃い、舌苔が乾燥
  • 頻脈
  • 冷やすと症状が改善する

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Dr喜多の「プライマリケア漢方」講座より引用

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Dr喜多の「プライマリケア漢方」講座より引用

今回は、自分の体質が熱証が寒証かをしっかり判定してほしいのですが、この判定は漢方薬を選定するうえで非常に重要です。

 

例えば、膝の関節が痛いときに、冷え性(寒証)で、関節に熱感を感じることがない場合は、桂皮加苓朮附湯が使用され、冷えもなく間接が浮腫んでいて熱感を感じる場合(熱証)は、越婢加朮湯使用します。

 

下記に、配合される生薬を列記しましたが、寒がりと暑がりの人用に明らかに真逆の効果をもつ生薬が配合されています。

 

例えは、寒がりには、附子(トリガブトの毒抜きしたもの)と桂皮(シナモン)が入っており、暑がりには(微熱、炎症もある)には、石膏(体を冷やす)が入っています。

 

次回の記事では、更に詳しく、熱証と寒証の体質と漢方薬について詳しく説明していきたいと思います。。。。。

 

桂皮加苓朮附湯

  • 桂皮(ケイヒ)
  • 芍薬(シャクヤク)
  • 茯苓(ブクリョウ)
  • 蒼朮(ソウジュツ)
  • 附子(ブシ)
  • 生姜(ショウキョウ)
  • 大棗(タイソウ)
  • 甘草(カンゾウ

越婢加朮湯

  • 麻黄(マオウ)
  • 石膏(セッコウ)
  • 蒼朮(ソウジュツ
  • 大棗(タイソウ)
  • 甘草(カンゾウ)
  • 生姜(ショウキョウ)

引用:【Dr喜多のプライマリケア漢方講座】Step1-4 冷えを温める漢方診療の秘訣 

https://www.youtube.com/watch?v=w2dklLhwv-Q&t=1504s

 

 

漢方薬は、冷えを温めるのが得意

漢方放浪記を書き始めて、約2ケ月が経過しましたが、漢方治療の考え方が少しづつわかってきたような気がします。とはいっても1年や2年で習得するのはほぼ不可能であることも実感していますが。笑 

 

自分でも、微熱や風邪っぽい時は、葛根湯、インフルエンザの時は麻黄湯、精力回復と飛蚊症に八味地黄丸、胃酸過多?逆流に六君子湯、ダイエットに防風通聖散、二日酔いに五苓散を服用して効果を実感していますが、インフルエンザの時に、麻黄湯で熱や関節、筋肉痛を我慢していたのですが、さすがにギブアップして、抗ウイルス薬(イナビル)を吸引しました。ただ、インフルエンザの熱が下がったあとは、数日食欲もなく、ちからも入らなかったので、六君子湯(人参)を服用しました。思ったとおり、とてもインフルエンザに掛かったとは思えない体力の回復の速さでした。

 

ここ10日間くらいは、八味地黄丸の煎じ薬を服薬中ですが、味やにおいだけで、えらく効いているような気分になりますが(笑)、クラシエやツムラのエキス剤とどの程度効果の差があるかわちょっとまだわかりません。八味地黄丸は、クラシエのエキス剤(錠剤)を1か月服用して十分に効果(精力回復、飛蚊症)は実感できました。

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八味地黄丸 煎じ薬

さて、前置きが長くなりましたが、いくつかの記事を書いているうちに、冷え性という体質が、多くの病気に関係していることが分かってきました。

 

また、西洋薬には、熱を下げる薬やいくつもありますが、冷え性の人の体温を上げる薬はありません。漢方には体温を下げるものも上げるものもあるのです。

 

これが、冷え性の改善が漢方の得意とする分野であるといわれる由縁ではないでしょうか?

 

次回ブログから冷え性の克服、改善について、様々な文献や先生方の講演を詳しく調べて、特集していきたいと思います。

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当帰 冷え性改善の代表生薬

 

 

 

肌荒れ改善、皮膚に潤いを与える漢方薬 麦門冬湯・温経湯

麦門冬湯、温経湯

体内水の不足、停滞(陰虚、津虚)の肌荒れには、麦門冬湯、体内水の不足、停滞(虚、津虚)と血の巡りが悪いこと(血虚)と両方の症状を持つ人の肌荒れには、温経湯が有効です。

 

血液の産生、循環、利用がうなくない体質(血虚)の人の肌に潤い与えるのは、温清飲であることを紹介しましたが、今回は、体内水の不足、停滞(湿痰、津虚)から、または血の巡りが悪いこと(血虚)と両方の症状を持つ人の肌荒れの改善、潤いを与える漢方薬を調査しました。

 

まずは、津虚か血虚または両方からくる肌荒れ、カサカサかどうか、下記の体質・症状があるか確認してみましょう。津虚だけなら麦門冬湯、津虚+血虚なら温経湯。ちょっと判断難しいですかね。

 

津虚の症状

  • 全身:微熱、夕方以降の微熱、寝汗
  • 精神:ソワソワ、イライラ、神経過敏
  • 頭部:目が乾く、口が乾く、耳鳴り、顔が赤い、のぼせ・ほてり、舌は赤くコケがない   
  • 四肢(手足):皮膚のかさかさ・乾燥、関節が動かしにくい、
  • その他:空咳、動悸、尿量が少ない、便秘(コロコロ)

血虚の症状

  • 全身:顔色が悪く貧血ぎみ、めまいや立ちくらみ、だるい、疲れる
  • 精神:物忘れ、集中できない、不眠
  • 頭部:髪にツヤがなく枝毛が多い、白髪、抜け毛、かすみ目、疲れ目、舌の色が白っぽい   
  • 四肢(手足):皮膚のかさかさ、肌荒れや小ジワが気になる、爪が薄く折れやすい
  • その他:生理が遅れ気味で経血量が少ない、動悸などがある

ちなみに、血虚の症状の方は、下記をご参照ください。

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漢方・生薬知識

麦門冬湯

麦門冬湯は高齢者の喘息に用いられ、痰の切れが悪く咳き込むタイプに対して気道粘膜を修復し炎症をとる作用がある

配合生薬:麦門冬、大棗、半夏、人参、甘草

 

温経湯

血液の循環をよくして手足のほてりをとり、身体全体をあたためる作用があり、乾燥した皮膚をうるおす作用がある

配合生薬:麦門冬、半夏、当帰、甘草、桂皮、芍薬、川芎、人参、牡丹皮、呉茱萸、生姜、阿膠

 

麦門冬 

鎮咳、去痰、止渇、滋養強壮作用を期待する薬方に配合される

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麦門冬 根の膨大部

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ジャノヒゲ

バクモンドウ:新常用和漢薬集/公益社団法人東京生薬協会

半夏 

胃内停水による嘔吐、咳を鎮め、痰を去る。唾液分泌を亢進し、咽喉痛を収める

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ハンゲ コルク層を除いた根茎

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ジャノヒゲ

ハンゲ:新常用和漢薬集/公益社団法人東京生薬協会

 

 


 

 

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花粉症 冷え体質なおして克服 漢方で改善 

前回のブログで、体質改善による根本的な花粉症改善には、全身倦怠感、体力低下、食欲不振(気虚のタイプ)の人向けとして、補中益気湯が良いことを報告しました。

 

今回は、冷え性の体質改善・根本治療のために使用する当帰芍薬散桂枝茯苓丸が有効であることが報告されています。

 

この2つの処方は、三大婦人薬(+加味逍遙散)と言われています。ともに駆瘀血剤であり、血の停滞、血の流れを改善して、解毒効果のあるものです。

含まれる生薬も駆瘀血(当帰、桃仁、川芎、牡丹皮)補血剤(芍薬)が含まれています。  

 

これらは、血流の改善により、体温を上昇させ冷えを解消します。冷え症の体質改善により、花粉症の発症を根本的に抑えるのです。

 

当帰芍薬散

弱々しい感じの中年女性の冷え、浮腫、めまい、貧血に効きます。

当帰芍薬川芎茯苓、蒼朮(または白朮)、沢瀉

桂枝茯苓丸

体力が充実している人で、冷え、のぼせ、下腹部圧痛の改善に利用されます。

桂枝,桃仁,茯苓,芍薬,牡丹皮

 

牡丹皮

消炎・鎮静・鎮痛・駆瘀血(くおけつ)作用があり、婦人病や下腹部、下肢、腰部の化膿症に用いられる薬方に配合される。

ボタンピ:新常用和漢薬集/公益社団法人東京生薬協会

 

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牡丹皮 

 

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ボタン

 

 

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花粉症 全身倦怠感 体力低下 食欲不振の人には 補中益気湯

小青龍湯や麻杏甘石湯は、麻黄や杏仁が入っているので、即効性の鎮咳、去痰効果があることは、前回のブログで紹介しました。

しかし、六君子湯や八味地黄丸の常用者であり、その効果を実感体験しているものとしては、花粉症(アレルギー性の鼻炎など)の人が毎日飲んで、体質を改善するにはどんな漢方薬がよいのか是非見つけ出したいと思っていました。

全身倦怠感、体力低下、食欲不振 (気虚の証)のタイプの人向けとなりますが、色々な文献を調べて、これはいけるのではないかと思った報告書を見つけたので報告します。   

僕は、アレルギー性の皮膚炎、鼻炎とは現在無縁ですが、中(脾胃)を補い、気を益する補中益気湯を、予防のために是非個人的にも試してみたいと考えています。

 

下記に、大阪大学医学部保健学科 荻野 敏先生の臨床試験の論文を添付しました。

被験者は、5例ではありますが、ハウスダスト、スギ、ダニアレルギーの人への補中益気湯の効果発現の投与期間は数日から1か月だったようです。

 

補中益気湯

気虚の疲労倦怠感、食欲不振に用いられます。

処方される生薬は、人参, 黄耆, 蒼朮, 当帰, 陳皮, 大棗, 柴胡, 甘草, 生姜, 升麻で、

人参、黄耆を含む方剤は、気虚による全身倦怠感等を目標としていて参耆剤と呼ばれます。

 

アレルギー性鼻炎はス トレス, 疲労などにより悪化する。今回全身倦怠感, 不眠などを伴った5例のア レル ギー性 鼻炎に補中益気湯を投 与した。症例1は22歳, 女性, 数年のHD減感作治療を受け鼻症状は落ち着いていたが, 中耳炎の手術後から再び鼻症状の悪化を見た。同 時に食欲不振, 全身倦怠感, 不眠, 耳鳴も出現してきた。症例2は43歳女性, 子宮筋腫により子宮全摘を受けている。全身倦怠感, 不眠を伴っていた。症例3も43歳,女性, 中等度の貧血を伴 つ ていた。症例4は26歳,  男性, 不眠, 倦怠感, 仕事でのストレスを伴つてい た。症例5, 18歳, 男性, 受 験による不 眠, 倦怠感を訴えていた。全症例に補中益気湯の投与を行ったところ数日か ら1ヵ 月以内に鼻炎の改善を見た。特に症例1,2で は本薬剤の投与のみであった。この成績から, 補中益気湯は全 身倦怠感, 不眠などの全身状態の良 くない アレルギー性鼻炎に対して有効な薬剤であると思 われた.

 

荻野敏・原田保:全身倦怠感を伴ったアレルギー性鼻炎に対する補中益気湯の臨床効果, 耳鼻42:282~287,1996

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jibi1954/42/3/42_282/_pdf

 


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急性の花粉症に有効な4種の漢方薬 小青龍湯・麻杏甘石湯

ぼくは、花粉症でないので、まったくその辛さや症状が自覚できませんが、色々な薬を飲んで、眠い、疲れる、だるいと泣いている人を多くみますよね。

 

通常抗ヒスタミン薬や抗アレルギー剤をのんだり、ゴーグルや頑丈なマスクをして花粉シーズンが過ぎ去るのをひたすら我慢し、耐えている姿を見ていると、ぼくは花粉症でなくてよかったとしみじみ思う毎日です。

 

さて、この花粉症にこそ、何千年も人類がひたすら自らに試し続けた漢方に突破口をみつけてみではどうでしょうか?

最新の花粉症の薬でも、ぼーとなったり、眠くなるような副作用は少なからずあるはずなので、眠くなったりしない漢方は試してみたいことろです。

 

また、なにより花粉症のせいで、元気がなくなるし、気持ちも落ち込むでしょうし、薬の飲みすぎによる食欲不振や胃腸障害もおこることは容易に推測されますよね。

 

鍼灸師の先生に、インフルエンザを1か月くらい前に発症してしまった話をしたら、「抗ウイルス剤で数日で治るのだけど、結構体力を持っていかれるんだよね、針で流して(経絡をつなげる?)、お灸もしておきましょう。漢方でいう補剤ね」って言われました。

 

花粉症の攻略は、これだって思いました。笑 

花粉症だけではなくすべての病気に対する東洋医学の考え方なんだろうな。

花粉アレルギーの症状だけを抑え込むのではなく、体質を根本的に改善して、乗り越えられないか研究します。

 

漢方薬はずっと飲み続けて体質を改善していくことが得意分野ですが、今回紹介する小青竜湯や葛根湯のように症状がある時だけに使うものもあります。(頓服薬:一日に何回ときめず、症状が出た時に服用する薬)

 

今回は、飲み続けて花粉症に強い体質を作る漢方薬ではなく、症状が出た時に服用する漢方薬を調べました。

よく、花粉症には小青竜湯が病院で処方されますが、漢方はそんな単純なもののではないようです。鼻水やくしゃみが出ている程度なら小青竜湯で良いれども、痒くなったり、微熱を感じる(炎症)ようになったら効かなくなる。麻黄、杏仁、石膏、麦門冬の出番らしい。

 

花粉発生の初期:余分な水が停滞(証:湿痰)している体質の人は、花粉が出始めの時期に、水溶の鼻水が出るがでると思いますが、その時期は、小青竜湯。

花粉発生の中期:花粉は、節分から桜の咲く季節まで(スギ花粉)飛び続けますが、その時期になると鼻や喉に炎症が出て、目の周りや口や鼻の中がが痒い、軽い風邪(微熱がでている感じがする)ようになります(余分な水分が停滞し、炎症が出ている:湿熱)。このような時期は、麻杏甘石湯越婢加朮湯。

花粉発生の後期 :花粉症が4月くらいまで続くと、体内の水分が不足(陰虚)し、喉が渇きやすく、粘膜が乾き咳、鼻づまりが発生します。このような時期になると、荊芥連翹湯辛夷清肺湯。

 

漢方処方、生薬知識 

小青竜湯麻黄,芍薬, 乾姜, 甘草, 桂皮, 細辛, 五味子, 半夏

麻杏甘石湯麻黄, 杏仁, 甘草, 石膏

越婢加朮湯麻黄, 石膏, 白朮, 附子, 生姜, 甘草, 大棗

荊芥連翹湯:当帰, 芍薬, 川芎, 地黄, 黄連, 黄金, 黄柏, 山梔子, 連翹, 荊芥, 防風, 薄荷, 甘草, 芷白, 桔梗, 柴胡

辛夷清肺湯辛夷, 知母, 百合, 黄金, 山梔子, 麦門冬, 石膏, 升麻, 枇杷葉

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麻黄

発汗、鎮痛、鎮咳、去痰、利尿作用があり、発熱悪寒、頭痛、身体疼痛、骨節痛、呼吸困難、喘咳(ぜんがい)、黄疸などを改善する薬方に配合される。

マオウ:新常用和漢薬集/公益社団法人東京生薬協会

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麻黄

 

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マオウの地上茎を乾燥したもの

杏仁

鎮咳、去痰、便通の目的で漢方用薬に配合される。

キョウニン:新常用和漢薬集/公益社団法人東京生薬協会

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杏仁 アンズ アンニン

とくに肺の熱や炎症をしずめる働きと利尿作用があります。咽喉炎、口内炎、肌のほてりなどの熱や炎症をしずめるのに有効。

石膏(セッコウ)-漢方ナビ

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石膏を砕いた粉

 

 

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肌荒れ改善、皮膚に潤いを与える漢方薬は、温清飲

ことしの冬は、雨が降らず、湿度も30%台ではないですか?そりゃあ、肌はガサガサにもなりますよね。通常、体内水の不足、停滞(陰虚、津虚)が、主な原因として考えられますが、今回は血の巡りが悪いこと(血虚)からくる肌荒れの改善、体質の改善効果に期待のできる漢方薬を調べました。

 

血虚は、血液生産、循環、組織での利用がうまくいかない状態で、皮膚疾患、筋肉痛、神経痛、関節疾患を引き起こします。

 

まずは、血虚からくる肌荒れ、カサカサかどうか、下記の体質・症状があるか確認してみましょう。

血虚の症状

  • 全身:疲れやすい,体がだるい,体重減少,貧血、
  • 精神:物忘れ、集中できない、不眠
  • 頭部: 顔色が悪い,髪にツヤがなく枝毛が多い、白髪、抜け毛、かすみ目、疲れ目、舌の色が白っぽい、めまい,立ちくらみ、口が乾く,舌の色が白っぽい
  • 四肢(手足):手足のしびれ、筋肉のけいれん、こむら返り、筋肉量減少
  • 皮膚:皮膚のかさかさ、肌荒れや小ジワが気になる、爪が薄く折れやすい
  • その他:生理が遅れ気味で経血量が少ない、動悸、息切れ

血虚の体質・症状に当てはまる人の肌荒れにお勧めの漢方薬は、温清飲です。

 

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生薬プチメモ: 

血虚の漢方薬のほとんどが、四物湯(当帰、芍薬、川芎、地黄)が基本方剤となっているようです。四物湯と黄連解毒湯(黄連、黄金、山梔子、黄柏)の合剤が、温清飲となります。黄連解毒湯は、アトピー性皮膚炎において「かゆみ」をとる第一選択肢です。

 

当帰(補血剤):生理異常、貧血、自律神経の乱れなどを改善する薬方に配合される。

トウキ:新常用和漢薬集/公益社団法人東京生薬協会

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当帰

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当帰の根を湯通しして、乾燥させたもの

 

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倦怠感・気力低下・ 食欲不振・風邪をひきやすい人の漢方薬治療

元気がない、気力がない、無気力、根気。漢方で言う気って言葉は、どうも人間にとっての身体と心のエネルギー、パワーのことを言っているようです。

漢方では、気虚(元気がない、食欲がない、免疫力の低下・風邪ひきやすい)、気鬱(抑うつ、いらいら)、気逆(易怒性、のぼせ、パニック、不安)います。

素人が聞くとスピリチュアルパワーのような印象を受けると思いますが、気とは生命エネルギーであり、漢方では大真面目に、非常に最も需要なものとしてよくつかわれる言葉のようです。 体や心を動かすエネルギー、パワーなのです。

今回は、この生命エネルギー、気が不足、停滞を解消する漢方薬(補気剤)を調べました。

気虚の症状・体質をまとめると

  • だるい、疲れる
  • 気力が出ない
  • 食欲がない
  • 風邪を引きやすい、傷口が治りにくい
  • 脈が弱い
  • 舌の色が白い
  • お腹に力が入らない

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Dr喜多の「プライマリケア漢方」講座 Step1(第1週)PDF教材より

気は、神気、胃気、疫気の3つの気に分類

  • 神気(精神運動機能):だるい、疲れる、気力が出ない
  • 胃気(消化吸収機能):食欲がない
  • 衛気(生体防御機能):風邪を引きやすい、傷口治りにくい

3つの気のパワーの低下に適用する漢方薬は

  • 神気のパワー低下:手足がだるい、疲れる、気力が出ない、目や声 に力がない、昼間眠い⇒補中益気湯
  • 胃気のパワー低下:食欲がない、胃もたれ、消化不良、下痢、軟便 君子湯

  • 衛気のパワー低下:風邪を引きやすい、風邪を引くと治りにくい、傷口が治りにくい⇒黄耆建中湯

漢方薬・生薬情報 

補中益気湯六君子湯黄耆建中湯に配合されている人参黄耆補気剤の代表!! 

  • 補中益気湯:人参・大棗・朮・柴胡・甘草・当帰・乾生姜・陳皮・升麻
  • 六君子湯:人参・朮・茯苓・半夏・陳皮・大棗・甘草・生姜
  • 黄耆建中湯 黄耆・芍薬・桂皮・大棗・ 甘草・ 生姜、膠飴
 
黄耆は、止汗、利尿、強壮の効を期待し、身体虚弱・皮下組織の水毒停滞を改善し、皮膚の増殖、排膿を目的とする薬方に配合する。
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黄耆

人参は、胃腸の衰弱による新陳代謝機能の減退を振興し、胸部のつかえ、食欲不振、腹痛、糖尿、疲労などを改善する薬方に配合する。 

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人参

 

 

比較的手軽に変える煎じ薬(補気剤)は、皇漢堂薬局さんのサイトからどうぞ!!  

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漢方の証(体質・体調)とは何かもう一度復習します。

漢方の証(体質・体調)とは何かもう一度復習します

証にあった漢方薬を選べば、効果は倍増する。。。  

ちょっと勉強不足なんで、また更新します (笑)

 

       

      

引用:【うち漢方】漢方相談|光和堂薬局

 

陰虚:水分が不足して、乾燥肌、気管支炎、鼻炎、花粉症、アトピー性皮膚炎

湿痰:水が多くて、浮腫み、だるさがある

陽虚:ホルモン量が減少し、身体の芯まで冷える、低体温、無月経、 インポテンツ

湿熱:ホルモン量過剰で、粘い痰や鼻水、だるさ、腹部膨満、肥満、便秘、下痢、

血虚:血が不足して、貧血、疲れやすい、筋肉・肩こり、腰痛など筋肉系の辛い症状

血瘀:血液が停滞して、動脈硬化心筋梗塞脳梗塞、高血圧

気虚:うつ、だるい、気力低下

気滞:ストレスによるイライラ 

 

  

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